絵本古本マーケットはっぴぃ

12月のおすすめ絵本(2015年)

■12月30日 字のない絵本・かくし絵「もりのえほん」安野光雅

もりのえほん 安野光雅/作 福音館書店

細密に描かれた森の風景。木々の生命力であふれた、力強く、そして静かな森。
でも、よく目をこらすと、その風景のあちらこちらに、動物や人の顔などの絵がかくれています。
リスや、パンダ、キリン、ジャガー、アリ、カエル、カタツムリ、ツル、フクロウなど、いろいろで
なかには、魔法使いや九州地図なんていうのも、かくれているページがあります。
頭をやわらかくして、本を逆さにしたり、ななめにしたり、い数ろいろな角度で見て、発見できた時は
達成感がありますが、なかなかみつからない絵もあり、安野さんに完敗と思うような、見事なかくし絵です。
巻末に、何がかくれているか書いてあり、その多さに驚きます。その数は、100以上です!

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■12月24日 「国際アンデルセン賞優良作品賞」(1976年)受章、赤羽末吉・椋鳩十「ほうまん池のカッパ」

ほうまん池のカッパ 椋鳩十/文 赤羽末吉/絵 銀河社

椋鳩十の創作民話、種子島を舞台に南国の豪快なおはなしです。
鹿を手づかみで生け捕りするほどの力持ちのとらまつは、島一番と豪語し、自分にかなうものはいないと
おおいばり。そのとらまつが、ある日、びくいっぱいのタイをつって、ほうまん池までくると
急に体が動かなくなり、不思議な手がぬくりんぬくりんと出てきて、あっという間に、魚をとって消え失せた。
その正体は、ほうまん池に住む10ぴきのカッパと知ったとらまつは、仕返しをしようと待ち構えた。
自分より強いものはいない、カッパなどたいしたことはないと思っていた身のほど知らずのとらまつが
カッパの妖術に、心の底からふるえあがるという顛末が、描かれます。
のびのびと、おおらかな絵と、妖怪カッパの恐ろしい正体が、ダイナミックに描かれるところが見どころです。
書店さんでは版元お取り寄せの希少本となります。
椋鳩十と赤羽末吉という、児童文学作家と絵本作家の巨匠ともいえるおふたりのコラボ作品です。
文も絵も大人も鑑賞できる作品です。

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■12月20日 しかけ絵本♪「キッパーのくまちゃんさがし」ミック・インクベン

キッパーのくまちゃんさがし ミック・インクペン/作 角野栄子/訳 小学館

ミック・インクペンの人気シリーズ、犬の「キッパー」のしかけ絵本です。
全ページにしかけがあり、めくると飛び出してきたり、タブをひっぱると動いたり、なにか出てきたりと
いろいろ楽しめます。
キッパーのぬいぐるみのくまちゃんがいなくなりました。キッパーは、外や家の中を探しまわります。
他の動物さんたちに尋ねたり、お月さまに住む謎の生物にも!
探しまわって眠くなったキッパーは、また明日とベッドに入ります。キッパーの布団をめくると・・・
なんと、まっくらな布団の中で、懐中電灯で本を読むくまちゃんがいるではありませんか。
キッパーとくまちゃん、明日は会えるといいね。
現在、定価2,592円の絵本です。ページ内にしみのあるところがありますので、980円(≒62%off)とお安く
なっています。しかけ部分には、やぶれなどございません。

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■12月16日 楽しい地図絵本「おいでよぼくのうちへ ちずをみてきてね」(かがくのとも/おぼまこと)

おいでよぼくのうちへ ちずをみてきてね かがくのとも通巻360号 おぼまこと/作 福音館書店

地図というと、縮尺が決まって、地図記号があってと、小さな子どもたちには、理解が難しく感じられます。
地図の一種には「絵図」というものがあって、地表にあるものの空間配列を平面上にあらわしたものだそうなので
こちらなら小さな子どもたちにも理解しやすそうですね
本作では、経路の説明を示した絵図が出てきます。
もっと大きくなって、縮尺を使った地図に興味をもつ、はじめの一歩になりそうですね。
ともくんの誕生日に仲良しの友だち3人を招待することになりました。
ところが、いつも通る道は、橋の工事中で通れません。そこで、お母さんが描いてくれた遠回りの地図を
ひとりずつにわたすことになりました。
ページの構成が面白く、ともくんの家と、友だちの家、目印のポストなど、町の風景が描かれた絵の部分が
穴あきになっていて、その下に、3人への地図が描かれ、それぞれを町の風景と見比べられるようになっています。
地図って、便利で面白いなあと感じることと思います。
3人は、ともくんの家へ地図をみながら無事に着き、今度はともくんへ、いいところへいける地図を描いて
プレゼントしました。最後まで、わくわく楽しいです。

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■12月12日 ★絶版・写真絵本★アフリカの数のお話「おばあちゃんにおみやげを」

おばあちゃんにおみやげを アフリカの数のお話  イフェオマ・オニェフル/作・写真 さくまゆみこ/訳 偕成社

エメカは、アフリカのナイジェリアのイバジ村に住む、イガラ族の男の子です。
アフリカでは、おばあちゃんが、子育てに大きな役割を果たしています。
エメカもおばあちゃんが大好き。今日はとなり村に住むおばあちゃんの家に遊びに行きます。
エメカは、おばあちゃんに何かお土産をもっていってあげたいと思いました。
1から10までの数を追って、お話が展開し、出てくる人やものが、だんだん増えていきます。
アフリカの生活や文化、身近な暮らしを紹介する、写真絵本ですが、子どもたちがより興味をもってみれるように
数の要素を取り入れているところに、作者の創意工夫が感じられます。
暮らしの道具など、めずらしものが多く出てきて、手作り感や素朴さを感じます。
登場するイガラ族のみなさんは、笑顔いっぱい!
エメカは、おばあちゃんにお土産をもっていくことはできたのでしょうか。
最後のおばあちゃんの言葉が、とてもやさしいです。

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■12月8日 ことばと絵で感じる絵本「ふわふわ、ぽかぽか」(グランまま社)

ふわふわ、ぽかぽか The Sense of Touch (BOOK OF SENSE SERIES 3)  ふくだじゅんこ/絵 グランまま社

手で触ったり、全身でふれたりする時に感じることば、「さらさら」「つるつる」「ぬくぬく」など
オノマトペなどで表現されたことばが、いろいろ出てきます。
動物さんたちのユーモラスな動きのある絵で、いっしょに感じる絵本です。
あたたかみのあるコラージュ作品は、やさしい雰囲気です。
作者のふくだじゅんこさんは、ボローニャ国際絵本原画展で、三度も入選されていらっしゃいます。

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■12月6日 ベラルーシの昔話「くまのしっぽ」☆北欧のクマの昔話☆

くまのしっぽ こどものとも年中向き通巻126号  ベラルーシの昔話 内田莉莎子/訳 小野かおる/絵 福音館書店

動物のしっぽはそれぞれ特徴があって、形の違いが面白いですね。
くまのしっぽは、ほとんど目立たないくらい、丸いかわいらしい、しっぽが、ちょこんとついていますね。
どうしてそんな形になったのか、面白おかしく語った昔話です。
昔、動物たちはしっぽを持っていませんでした。しっぽを持っていたのは、ライオンの王様だけでした。
王様は、他の動物たちにもしっぽを与えることにして、御殿にしっぽを取りに来るように、おふれをだしました。
動物たちは急いで御殿にむかいましたが、くまだけは、好き勝手なことをして、御殿についた頃には
しっぽはなくなっていました。そのあとの、くまの行動が、意表をついています。
ベラルーシの国土の半分近くは森林で、そこには多種多様な動物が暮らし、世界遺産の森もあるそうです。
動物たちがより身近な存在なのでしょうね。

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■12月3日 北の海の昆布漁の絵本「こんぶのはまべ」(かがくのとも)★津田櫓冬・絵

こんぶのはまべ かがくのとも通巻366号  岡崎務/文 津田櫓冬/絵 福音館書店

北の海の短い夏、いよいよ昆布漁「とりこんぶ」のはじまりです。
大人も子どもも、老若男女みんなで力を合わせて、昆布漁をする姿がいきいきと描かれ
一生懸命働く姿が、すがすがしいです。
日本の食文化にかかせない昆布ですが、漁の様子は身近には見れないので、興味深いです。
とれた昆布は、とても長くて重くて、トラックで運ばれ、干すのは、小石がひかれた地面の上。
夏の太陽と、北国のさわやかな風が、うまみをギュッと蓄えた干し昆布をつくるのですね。
夏から雪の舞う寒い冬まで、昆布とともに暮らす人たちが、輝いて見えます。

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