■■■ baby03  「ごちゃまぜカメレオン」「カメレオンはいく」 [絵本古本屋の絵本書評] ■■■




vol-72
   絵本の中には、似ているようなお話がありますが、絵が違うと
   違う雰囲気になりますね。同じ作品でも違うイラストレーターさんの
   挿絵で再版されると、まったく別作品のように感じます。

   さて、今回ご紹介の絵本は・・・・カメレオンが題材の絵本。
   ふたつの絵本を読み比べてみるのも、面白そうです。



   本のタイトル: ごちゃまぜカメレオン

   エリック・カール/作
   やぎたよしこ/訳 
   ほるぷ出版
   対象年齢 : 2歳から100歳まで


   本のタイトル: カメレオンはいく    


   本信公久/作・絵
   くもん出版
   対象年齢 : 2歳から100歳まで



   外国の絵本作家さんの中で、もっともよく知られているエリック・カールさん。
   「はらぺこあおむし」は日本でもベストセラー。
   子どもの心にそったあたたかい作品、
   カールさんは子どもが大好きなのだと思います。

   そのカールさんが、子どもたちの発想をもとに作ったというのが
   「ごちゃまぜカメレオン」
   そのせいか、絵も子どもが描いたような感じです。

   動物園にやってきたカメレオン、動物たちをうらやましく思っていたら・・・
   次々と動物の特徴に体が変化。長い首や背中に甲羅と、どんどん奇妙な形に。
   一番最後に人間が出てきますが、人間に変化する前に一匹の蠅が目の前に。
   食欲には勝てないカメレオンは、もとの形にもどります。

   生きるということは食べるということ。
   食と生が直接結びつく子どもらしい発想です。

   人間には変化せずに終わってしまうので、そこから想像の世界も広がります。
   人間ってどんな特徴?どんなところが良いところ?
   エリック・カールさんが最後に難しい問いを投げかけているようです。
   子どもたちは、これからの長い人生で、その答えをみつけていかなければ
   なりませんね。

   さて、日本版カメレオンのお話は、本信公久さんの「カメレオンはいく」
   デェフォルメされた形のカメレオンの色が変化する色彩の絵本です。
   カメレオンはページにそって、左から右へと動いていくので
   躍動感にもあふれています。
   最後のページ、虹色に輝くカメレオンは最高に美しいです。

   (終わり)



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