■■■ baby03  動物げきじょう―21幕 [絵本古本屋の絵本書評] ■■■




vol-70
   本のタイトル: 動物げきじょう〈21幕〉

   


   アリスとマーティン・プロンベンセン/作・絵
   乾侑美子/訳 
   童話館出版
   対象年齢 : 5歳から100歳まで



   本という限られた空間の中で作者が読者を楽しませようと
   最大限のパフォーマンスを見せてくれたとき
   絵本の面白さを感じます。

   限られた大きさ、限られたページという規制を利用して
   絵による作者のしかけがそこらじゅにちらばっている絵本は
   わくわくします。
   この絵本は21の短い詩やお話で綴られています。
   そのどれもに趣向が凝らしてあり、別々のお話なのに
   本全体は一冊の物語のように調和しています。
   主人公はすべて動物たち、お百姓さんや奥さん、子どもたちなど
   人間は脇役です。
   動物たちは、自分が動物であることを謳歌しているように見え
   人間の暮らしを滑稽に風刺しているようにも見えます。

   本作品は、1952年にプロンベンセン夫妻がはじめて文も絵もてがけた
   作品だそうです。
   それだけにお二人が試行錯誤、練り上げて作った作品のように感じます。
   レトロな雰囲気、かわいい絵柄ながら、動物も鳥もそれぞれの特徴が見事に
   描かれています。特に33ページ目、ハチドリからワシまでいろいろな
   大きさの鳥がならんでいるシーンに見入ってしまいました。


   (終わり)



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