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vol-70
本のタイトル: 動物げきじょう〈21幕〉 アリスとマーティン・プロンベンセン/作・絵 乾侑美子/訳 童話館出版 対象年齢 : 5歳から100歳まで 本という限られた空間の中で作者が読者を楽しませようと 最大限のパフォーマンスを見せてくれたとき 絵本の面白さを感じます。 限られた大きさ、限られたページという規制を利用して 絵による作者のしかけがそこらじゅにちらばっている絵本は わくわくします。 この絵本は21の短い詩やお話で綴られています。 そのどれもに趣向が凝らしてあり、別々のお話なのに 本全体は一冊の物語のように調和しています。 主人公はすべて動物たち、お百姓さんや奥さん、子どもたちなど 人間は脇役です。 動物たちは、自分が動物であることを謳歌しているように見え 人間の暮らしを滑稽に風刺しているようにも見えます。 本作品は、1952年にプロンベンセン夫妻がはじめて文も絵もてがけた 作品だそうです。 それだけにお二人が試行錯誤、練り上げて作った作品のように感じます。 レトロな雰囲気、かわいい絵柄ながら、動物も鳥もそれぞれの特徴が見事に 描かれています。特に33ページ目、ハチドリからワシまでいろいろな 大きさの鳥がならんでいるシーンに見入ってしまいました。 (終わり) |