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vol-69
本のタイトル: クリスマスの真珠 ミーシャ・ダムヤン/文 アレクサンダー・ライヒシュタイン/絵 いずもちほこ/訳 いのちのことば社フォレストブックス 対象年齢 : 5歳から100歳まで クリスマスのお話といえば、ツリーやサンタクロースが 題材になったもの、カラフルで明るく楽しさを盛り上げる 絵本が比較的多いですが、この絵本は、青紫や藍、白といった 色彩で、海の中のクリスマスを美しく描いています。 海の中の淡い光やきらめく光は白の配色で描かれ、 まるでほんとうに輝いているかのように見えます。 みんなのために平和をもたらしてくれる 王様がお生まれになったという知らせに、海の生き物たちも お祝いに向います。その使者となったのは、小さなたつのおとしご ポニー。贈物には、ひとつぶの真珠を選びました。 海に住んでいるポニーが、陸の王様に贈物を無事に届けることが できるでしょうか。 作者のミーシャ・ダムヤンは、スイスでNord-Sud Verlag社を 設立、自らも児童文学の創作活動をするかたわら、 ヤノッシュなどを育てた編集者としても活躍。 ナチスドイツ軍の捕虜になり、スイスに亡命という経歴もある そうです。そんな経歴を読むと、どのような思いで児童文学に かかわることになったのか、興味を持ちます。 この絵本にも、作者の「平和の祈り」がこめられているように 感じます。 物語のエピローグには、「新約聖書ルカの福音書2章11節」が 刻まれています。 クリスマスにはしずかに平和を祈りたいと思います。 (終わり) |