■■■ baby03  いろいろこねこ ■■■




vol-64
   本のタイトル: いろいろこねこ   いろいろこねこ (講談社の翻訳絵本クラシックセレクション)
   マーガレット・ワイズ ブラウン/作
   アリス&マーティン プロベンセン/絵
   木原 悦子/訳
   講談社 翻訳絵本クラシックセレクション
   対象年齢 : 5歳から100歳まで



   梅雨に入りました。
   雨の日は、薄暗くて、毎日だと気分も滅入ります。
   雨がテーマの絵本を読むのも良いですが
   とびきり明るくて、楽しい絵本に出会いたくなります。
   そんな時、みつけた絵本が、「いろいろこねこ」です。

   色がテーマの絵本なので、絵本全体が色の洪水のように
   明るい色彩があふれかえっています。
   プロンベンセン夫妻の絵は、明るい色彩が多いですが
   特にこの絵本は、色がテーマなだけあって、その発色の美しいこと。
   1949年初版なので、その当時は、最高の印刷技術ではないかと    思われます。

   主人公のこねこ、ブラッシュとハッシュは、ペンキ屋さん。
   自分たちの目の色と同じ、みどり色を作ろうとしますが
   どうやって作るかは知りません。
   そこで、とりあえず、いろいろな色を混ぜてみます。
   赤と白を混ぜてみると、"ピンク"ができました!
   "ピンク"は豚の色・・・と次々に出来たペンキで絵を描きはじめます。

   そのうちに、夢の中にも、色の世界が出てきます。
   そこには、パーブル色の動物など、見たこともない色をした
   動物たちもあらわれるのですが、こんな色の動物も悪くない・・
   と、だんだんと、色の魔法にかけられたかのよう・・・

   "ブラウン"など、ちょっと暗い色の魅力を伝えてくれるシーンでは
   マーガレット・ワイズ ブラウンらしい、詩的な世界が、広がります。

   読み終えた頃には、雨に濡れるすべてもの、暗く煙る風景も
   自分さえも、色、色、色であふれかえっていることに
   気づき、いっきに気分一新!

   ブラッシュとハッシュは、偶然こぼしたペンキが混ざって
   みどり色を作ることができます。
   ラストでは、たくさんの色との出会いで、喜びにあふれている
   二匹のこねこが、ほほえんでいます。


   (終わり)



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