■■■ baby03  むくどりのゆめ ■■■




vol-63
   本のタイトル: むくどりのゆめ  むくどりのゆめ (大人になっても忘れたくないいもとようこ名作絵本)
   浜田廣介/作
   いもとようこ/絵
   白泉社
   対象年齢 : 5歳から100歳まで


   浜田廣介は、日本の幼年童話の創始者と言われています。
   作品は、「ひろすけ童話」と呼ばれ、親しまれてきました。

   「ひろすけ童話」は、独特な語り口の、流れるような文章で
   素朴で簡素な表現でありながら、情景がありありと浮かんできます。

   小学生の頃に読んだ、「泣いた赤鬼」や「竜の目のなみだ」
   は、今でも忘れず覚えています。
   「ひろすけ童話」を通して、情愛や孤独といった精神世界を
   経験でき、教えられたように思います。

   この「むくどりのゆめ」は、この世にいなくなった母さん鳥の帰りを
   今か今かと待つこどもの鳥と、あたたかく見守る父さん鳥の話です。

   父さん鳥が、子どもの鳥を、つくづくとみつめるというくだりがあります。
   父さん鳥が、その時何を思ったのかは、はっきりと書いてありませんので
   読者が推し量らなければなりません。
   が、たとえ、心の奥底をのぞきこんだとしても理解のできない、
   深い深い思いがあるように感じとれます。
   そして、人の世には、はっきりと形にできないもの、
   言い表せないものが、たくさんあるように思えてくるのです。

   はり絵で描かれた、やさしい風合いと淡い色彩の、
   いもとようこさんの絵からは、暖かさが伝わってきます。

   「ひろすけ童話」の絵本は、白泉社のいもとようこ作品と
   他に、集英社から、「ひろすけ童話絵本」が、数冊出ています。

   どれか気になる作品がありましたら、ぜひ読んでみてください。


   (終わり)



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