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vol-62
本のタイトル: ともだちや 内田麟太郎/作 降矢なな/絵 偕成社 対象年齢 : 4歳から100歳まで 絵本のテキストと絵を同じ作者が担当する絵本が多い中 内田麟太郎さんは、絵本のテキストのみの絵本作家さんです。 絵を担当するイラストレーターさんによって いろいろなスタイルに変化する、麟太郎さんの文章はどれを読んでもおもしろい。 イラストレーターさんの個性を引き出す、演出家のようでもあり ながら、文だけ読んでも、簡潔でわかりやすく、ユーモラスで リズミカルで・・・日本語が素敵に響いています。 内田麟太郎作品は、どれもよく読まれる作品が多いと思いますが この「ともだちや」は、シリーズ化されて、人気絵本です。 キツネは、一時間百円で友達になってあげる「ともだちや」を 始めます。でも実は、友達を探していたのは、キツネ自身だったのです。 「本当のともだち」って? ひょんなことから、友達になったキツネとオオカミ。 この後のシリーズで、様々な出来事が起こり、キツネの"ともだち修行"が始まります。 さみしがり屋で不器用だけれど、暖かい思いがいっぱいのキツネと オオカミの二人のやりとりに、時には、ジンときます。 絵担当の降矢ななさんは、スロヴァキアで暮しているという、 異色の絵本作家さん。独特の色の感性と、表情豊かな登場人物が魅力で この絵本でも、ななさんの個性がパワー全開で、発揮されています。 おもしろくて、ペーソスあふれる麟太郎さんとななさんの世界 子どもはもちろん、大人だって、楽しまなくては損です。 (終わり) |