■■■ baby03  しろいうさぎとくろいうさぎ ■■■




vol-59
   本のタイトル: しろいうさぎとくろいうさぎ  しろいうさぎとくろいうさぎ
   ガース・ウイリアムズ/文・絵
   まつおかきょうこ/訳
   福音館書店
   対象年齢 : 5歳から100歳まで



   邦訳版は、1965年より重版を続けているロングセラー。
   原題は、「THE RABBITS’WEDDING」で、
   「結婚」について、心をこめて描いている作品ということもあり
   結婚式や贈り物や恋人へのプレゼントなど、大人にも人気の絵本です。

   「さんびきのちいさいどうぶつ」や「おやすみなさいフランシス」
   「ちっちゃなほわほわかぞく」「まんげつのよるまでまちなさい」など
   ガース・ウィリアムズの作品には、擬人化した動物たちが
   いろいろ登場します。

   動物でありながら、性格を持ち、人間と同じように暮している設定の
   絵本もありますが、この「しろいうさぎとくろいうさぎ」は
   擬人化されながらも、森で暮しているうさぎそのものと言った
   リアルさがあります。
   そのことに意味があると思います。

   子どもたちは、うさぎが人間と同じように結婚すると思います。
   そして、一緒に喜ぶことにより、動物も人間も共に生きているという
   ことに気づきます。

   ガース・ウィリアムズは、動物を描きながら、いつも
   その小さな動物達にも命があり、愛情あふれる暮らしがあると
   幼い子どもたちに、語りかけているように感じます。


   他の作品、「さんびきのちいさいどうぶつ」は、
   人間になりたくて人間界に出かけていく動物の話です。
   でも、結局は本来の自分たちの暮らしにもどります。
   (文は、マーガレット・ワイズ・ブラウン)

   白うさぎと黒うさぎは、結婚し森の中で幸せに暮らします。
   自分の居場所をみつけた、黒うさぎは、もう悲しい顔はしません。

   結婚式の場面と、裏表紙のうさぎは、その場面だけ二本足で立って
   人間らしく描かれています。
   それぞれの場所でそれぞれの暮らし、自分らしい暮らしを
   みつけることができて、幸せと、人間らしいうさぎ達は、
   誇らしげ、満足げにみえます。
   より人間らしいうさぎを描くことで、その思いが強調されている
   ように感じます。


   (終わり)



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