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vol-57
本のタイトル: 子うさぎましろのお話 (おはなし名作絵本 3) 佐々木たづ/作 三好碩也/絵 ポプラ社 対象年齢 : 4歳から100歳まで ましろは、小さな不完全な存在です。 そのましろを、大きな存在であるサンタクロースや神様が 暖かく見守ってくれるというお話です。 サンタクロースのプレゼントをもうひとつ欲しくなったましろは、 嘘をつきます。 サンタクロースのおじいさんを騙し、プレゼントをもらったけれど ましろの心は痛みます。 どこかほろ苦く、悲しくなるような記憶 数々の追憶が、傷つくましろの姿に重なって、読者の心も痛みます。 嘘をついてしまった自分の気持ちを浄化させようと 一生懸命になるましろの健気さがいじらしくなります。 ましろを許す言葉は、文中どこにも出てきません。 ましろのついた嘘は、ましろの心の中で残りつづけ、 いつまでも、いつまでも良きことのために 努力し続けなければいけないのでしょうか。 ラストシーンは、神様という大きな力が暖かく照らすような イメージです。ましろの嘘は、いつのまにか神様によって 許されているのかもしれません。 読者は、自分も許されているような安堵感につつまれます。 大人にもやさしく語りかけてくれるような・・・ そんな良いお話です。 (終わり) |