■■■ baby03  子うさぎましろのお話 ■■■




vol-57
   本のタイトル: 子うさぎましろのお話 (おはなし名作絵本 3) 子うさぎましろのお話 (おはなし名作絵本 3)
   佐々木たづ/作
   三好碩也/絵
   ポプラ社
   対象年齢 : 4歳から100歳まで



   ましろは、小さな不完全な存在です。
   そのましろを、大きな存在であるサンタクロースや神様が
   暖かく見守ってくれるというお話です。

   サンタクロースのプレゼントをもうひとつ欲しくなったましろは、
   嘘をつきます。
   サンタクロースのおじいさんを騙し、プレゼントをもらったけれど
   ましろの心は痛みます。

   どこかほろ苦く、悲しくなるような記憶
   数々の追憶が、傷つくましろの姿に重なって、読者の心も痛みます。

   嘘をついてしまった自分の気持ちを浄化させようと
   一生懸命になるましろの健気さがいじらしくなります。

   ましろを許す言葉は、文中どこにも出てきません。
   ましろのついた嘘は、ましろの心の中で残りつづけ、
   いつまでも、いつまでも良きことのために
   努力し続けなければいけないのでしょうか。

   ラストシーンは、神様という大きな力が暖かく照らすような
   イメージです。ましろの嘘は、いつのまにか神様によって
   許されているのかもしれません。
   読者は、自分も許されているような安堵感につつまれます。

   大人にもやさしく語りかけてくれるような・・・
   そんな良いお話です。


   (終わり)



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