■■■ baby03  かみのけちょっきん ■■■




vol-51
   本のタイトル: かみのけちょっきん
   かみのけちょっきん (こどものとも傑作集)
   松竹いね子/作
   織茂恭子/絵
   福音館書店
   対象年齢 : 4歳〜100歳以上



   織茂恭子さんの作品をはじめて読んだのは、「かみのけちょきん」です。
   切り紙を用いて、油絵のようにも見える絵の、色使いのきれいなこと、
   そして、表現のおもしろさに感動!
   松竹いね子さんの、唱え歌もよくて、「ちょっきんな〜できあがり〜」と
   勝手に節をつけて、歌ってしまいます。

   おとぼけ顔のてるてるぼうずが、また好感度のあるキャラクターです。
   ふらりとどこからかやってきて、歌いながら出て行く様の非日常的な空間。
   紙という吹けば飛ぶような素材を使いながら、確かな存在として、
   絵が構成されているという世界も、非日常的。
   このキャラクターと、絵本の構成は、とてもマッチしているような気がします。

   織茂さんの描くキャラクターは、どれも、愉快でのんびり〜としている
   ところが、癒し系で好きです。

   福音館書店の「こどものとも」には、常連作家さんとして数多くの
   作品があります。
   「おじさんのえ」「イルミねこはまよなかに」「トイレとっきゅう」
   「おかえし」「やまのてっぺんそらのまんなか」「ともこのかいすいよく」など
   「ちさとじいたん」(現・岩崎書店刊、阪田寛男/詩)では、
   「第7回絵本にっぽん大賞」を、受賞されています。

   その織茂さんの作品に「へんてこ美術館」(福音館書店・現絶版)
   が、あります。
   これは、さらにさらに〜感動、感動〜
   調子の良い詩と、織茂さん独特の美しい切り紙絵の世界
   そこには、今まで見たこともない絵の世界が展開します。
   この世にひとつしかない、手で開き、めくる美術館です。

   「へんてこ移動美術館」がやってきたという内容になっていて
   その美術館を見ている、犬と猫の表情、動きも楽しめるという
   二重構造になっています。
   ここでも、織茂さん特製キャラの犬猫が癒しの空間を与えてくれます。

   織茂さんの作品には、切り紙でない作品もあるのですが
   究極の切り紙作品は、アートとして見ごたえプラス絵本のおもしろさも
   加わった、他では味わうことのできない、新しい表現の世界です。


   (終わり)



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