|
vol-51
本のタイトル: かみのけちょっきん 松竹いね子/作 織茂恭子/絵 福音館書店 対象年齢 : 4歳〜100歳以上 織茂恭子さんの作品をはじめて読んだのは、「かみのけちょきん」です。 切り紙を用いて、油絵のようにも見える絵の、色使いのきれいなこと、 そして、表現のおもしろさに感動! 松竹いね子さんの、唱え歌もよくて、「ちょっきんな〜できあがり〜」と 勝手に節をつけて、歌ってしまいます。 おとぼけ顔のてるてるぼうずが、また好感度のあるキャラクターです。 ふらりとどこからかやってきて、歌いながら出て行く様の非日常的な空間。 紙という吹けば飛ぶような素材を使いながら、確かな存在として、 絵が構成されているという世界も、非日常的。 このキャラクターと、絵本の構成は、とてもマッチしているような気がします。 織茂さんの描くキャラクターは、どれも、愉快でのんびり〜としている ところが、癒し系で好きです。 福音館書店の「こどものとも」には、常連作家さんとして数多くの 作品があります。 「おじさんのえ」「イルミねこはまよなかに」「トイレとっきゅう」 「おかえし」「やまのてっぺんそらのまんなか」「ともこのかいすいよく」など 「ちさとじいたん」(現・岩崎書店刊、阪田寛男/詩)では、 「第7回絵本にっぽん大賞」を、受賞されています。 その織茂さんの作品に「へんてこ美術館」(福音館書店・現絶版) が、あります。 これは、さらにさらに〜感動、感動〜 調子の良い詩と、織茂さん独特の美しい切り紙絵の世界 そこには、今まで見たこともない絵の世界が展開します。 この世にひとつしかない、手で開き、めくる美術館です。 「へんてこ移動美術館」がやってきたという内容になっていて その美術館を見ている、犬と猫の表情、動きも楽しめるという 二重構造になっています。 ここでも、織茂さん特製キャラの犬猫が癒しの空間を与えてくれます。 織茂さんの作品には、切り紙でない作品もあるのですが 究極の切り紙作品は、アートとして見ごたえプラス絵本のおもしろさも 加わった、他では味わうことのできない、新しい表現の世界です。 (終わり) |