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vol-50
本のタイトル: 「わたしはとべる」 ルース・クラウス/作 マリー・ブレア/絵 谷川俊太郎/訳 講談社 対象年齢 2歳から100歳以上 詩人の谷川俊太郎さんが訳された絵本は多々あります。 詩ではなく、物語でさえも、谷川流の詩的世界を感じさせるものが多いです。 レオ=レオニの「フレデリック」(好学社)は、好きな絵本のひとつです。 さて、この絵本は、一編の詩の絵本です。 明るく躍動感ある詩と絵は、早春の芽ぶきの時期を感じさせてくれます。 のびのびとした遊びの世界を満喫する子どもが描かれた散文詩を、 谷川俊太郎が、明るくユーモラスに訳しています。 子どもは、大人にはない独特の感性をもっています。 遊びの世界は、まるごとイメージの世界です。 イメージの世界は、楽しくあきることがありません。 子どもの言葉や遊びは、時に、詩的感性にあふれています。 でも、この絵本のような無邪気な感性を持った子どもは、少なくなった、 これは昔の子どもの姿と、絵本の解説に書いてありました。 絵本の中に、「わたしはなれる なんにでも」という言葉があります。 遊びの世界を楽しむ子どもの、心からの喜びの言葉です。 食べて、遊んで、寝る、自然と遊ぶ、仲間と交わる そんな太古からの動物的営みが、人間としての遺伝子を刺激して 子ども本来の人間性を育てるということを、 詩人クラウスと谷川は、メッセージしているような気がします。 (終わり) |