■■■ baby03  わたしはとべる ■■■




vol-50
   本のタイトル: わたしはとべる   「わたしはとべる」

   ルース・クラウス/作
   マリー・ブレア/絵
   谷川俊太郎/訳
   講談社
   対象年齢 2歳から100歳以上


   詩人の谷川俊太郎さんが訳された絵本は多々あります。
   詩ではなく、物語でさえも、谷川流の詩的世界を感じさせるものが多いです。
   レオ=レオニの「フレデリック」(好学社)は、好きな絵本のひとつです。

   さて、この絵本は、一編の詩の絵本です。
   明るく躍動感ある詩と絵は、早春の芽ぶきの時期を感じさせてくれます。

   のびのびとした遊びの世界を満喫する子どもが描かれた散文詩を、
   谷川俊太郎が、明るくユーモラスに訳しています。

   子どもは、大人にはない独特の感性をもっています。
   遊びの世界は、まるごとイメージの世界です。
   イメージの世界は、楽しくあきることがありません。

   子どもの言葉や遊びは、時に、詩的感性にあふれています。

   でも、この絵本のような無邪気な感性を持った子どもは、少なくなった、
   これは昔の子どもの姿と、絵本の解説に書いてありました。

   絵本の中に、「わたしはなれる なんにでも」という言葉があります。
   遊びの世界を楽しむ子どもの、心からの喜びの言葉です。

   食べて、遊んで、寝る、自然と遊ぶ、仲間と交わる
   そんな太古からの動物的営みが、人間としての遺伝子を刺激して
   子ども本来の人間性を育てるということを、
   詩人クラウスと谷川は、メッセージしているような気がします。


   (終わり)



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