■■■ baby03  セーターになりたかった毛糸玉 ■■■




vol-49
   本のタイトル: セーターになりたかった毛糸玉   「セーターになりたかった毛糸玉」

   津田直美/作
   ブロンズ新社
   対象年齢 5歳から100歳以上


   もうすぐ、クリスマスです。
   クリスマスプレゼントの予定はありますか。
   そういえば、毛糸で、マフラーやミトン手袋を編んだのは・・・
   若き(?)日のこと。
   さすがに、ベストやひざ掛け止まり。
   セーターという大物には、手が出せませんでした。
   不器用さを知らされる結果に、いつしか編物は遠ざかっています。

   この絵本の毛糸玉達の最大の目標は、"セーターになる"こと。

   なるほど、セーターは、編む人にも、編まれる毛糸玉にとっても
   特別な存在のようです。

   この絵本は、雑誌や本で、数回書評に出会いました。
   その都度、絶賛されていたので、読んでみたいと思いました。
   中には、「絵本を今まで読んだことがなかったのに、この本を読んで
   すっかり絵本好きになった」というコメントもありました。

   それで、読んでみました。


   毛糸玉は、自分の力では、セーターになれません。
   どんなに望んでも、そこには他人の力が必要なのです。
   他人に翻弄されて、捨てられたり、ボロボロにされたり
   毛糸玉がいくら頑張っても、ひとりでは何もできません。

   毛糸玉が運良くセーターになれたのは、いくつかの偶然の
   積み重ねです。その偶然こそ、必然であったと思えるのは
   いつも、後になってからです。

   今日一日の出来事は、未来へ続き、偶然もいつかは必然にと
   思えば、明るい未来を夢みることができそうです。

   この絵本を読み終わると、なんだかほっとして、嬉しくなります。


   編物も毛糸も、まったく縁のない方も、編物得意の方も
   クリスマスには、やさしく心を包む「セーターになりたかった毛糸玉」を
   プレゼントしてみてはいかがでしょうか。

   津田直美さんの、かわいい絵がお好みな方へ限りますが・・・


   (終わり)



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