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vol-43
本のタイトル: 「ありとすいか」 たむらしげる/作 ぽぷら社 対象年齢 3歳から100歳まで たむらしげるさんの作品を読むと、いつも思うのは まさに、絵の本だな〜ということです。 絵を楽しむ、絵と遊ぶことができる絵本です。 この「ありとすいか」といい、 「かたつむりタクシー」(こどものとも年少版256号・現絶版)といい たむらしげるさん描く「虫の世界」は、どこかユーモラスで のんびりしている。 大きなすいかと小さなありの対比 すいかの赤とありの黒の対比 すいかの1個とありの多数の対比 すいかの静とありの動の対比 すいかとありは、対極を表し、それがこの絵本のおもしろさの ひとつになっていると思う。 子どもにとってありは、一番身近な虫といえる。 公園で、落ちたお菓子に群がるあり、ぞろぞろ続く行列 それをたどると、ありの巣の穴にたどりつく。 こんな思い出は、誰にでもあり、その巣の中を想像するのは 楽しいものだ。 もちろん、この絵本にもたむらしげるさん創造の、 「ありの巣」が登場する。 すいかをみつける前と、すいかを運んだ後とで 見比べることができるという楽しい対比が、ここでもできる。 最後がまた、大胆な発想で、ラストにいたるまで手をぬかず 楽しませてくれ、遊び心いっぱいである。 夏の暑い日にみつけた、あの小動物に出会いたい方、必読です。 (終わり) |