■■■ baby03  かいじゅうたちのいるところ ■■■




vol-42
   本のタイトル: 「かいじゅうたちのいるところ」

   モーリス・センダック/作
   じんぐうてるお/訳
   冨山房
   対象年齢 1歳から100歳まで


   センダックの「かいじゅうたちのいるところ」

   20世紀を代表する絵本と言われ、この絵本以前、以後と
   いうくくりで言われるほど、大きな存在だ。


   「かいじゅうたちのいるところ」とはどこか。
   主人公マックスの深層世界といわれている。

   小さなこどもは、いつも現実とファンタジーの世界を
   いったりきたりしている。
   時間という概念もなく、現実の世界と
   遊びの中の創りだした世界とを、いったりきたりしている。

   そのファンタジーの世界は、こども達のイメージで作りだしたものであり、
   現実の世界を反映しているものだ。

   それはいつも、自分に都合のいい世界、自分にとって居心地の良い
   世界である。


   「かいじゅうたちのいるところ」も、
   マックスにとって居心地のいいところ、自分が君臨できる世界
   自由に振舞える世界、発散できる世界

   が、そこには、マックスの体験していない世界は
   ふくまれないから、食事はできない。

   なぜならマックスの体験には、食事は食べるだけのものだから。

   おなかがすいたとたんに、その世界は、マックスにとって
   居心地の悪い世界となる。


   「かいじゅうたちのいるところ」は、絵本まるごとが

   こどもそのものだと思う。


   同時に、こどもが体験したこと、理解できるものしか描かれていないから
   こどもにとって、もっとも理解しやすいテキストになりえる。
   (絵もこどもにとっては、テキスト)

   「絵本は小さなこどものための読み物」だから
   「かいじゅうたちのいるところ」は、昔も今も、いつの時代も変わらず
   こどもたちにとっての、最良の読みものと言える。


   (終わり)



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