■■■ baby03  五味太郎さんの絵本 ■■■




vol-37
   タイトル: 五味太郎さんの絵本


   今回は、五味太郎さんの絵本の書評です。

   五味太郎さんと言って、まず思い出すのは・・・
   全10巻の言葉図鑑(偕成社刊)、細かく描かれたイラストは圧巻です。

   人気の作家さんなので、読者の皆様の中にもファンの方が
   いらっしゃると思います。

   はじめ、五味太郎さんの絵本には、抵抗がありました。
   絵本から飛び込んでくる 明るすぎる色使いや、どの絵本を見ても
   いつも同じような版でおしたような作風といい、何か自分には
   なじめないものがありました。

   その、五味太郎さんの絵本を、「いいかも」と思ったのは、最近のことです。

   それは、絵本館出版のその名も「五味太郎の絵本」を見た時からです。
   (こちらは、シリーズものです。)

   その中でも、好きなのは、「いろ」と「かたち」です。

   あれだけ、五味太郎さんの色や形にこだわっていた自分が
   そのシリーズもののなかから、この2冊にひかれたのは
   「そうか、これが五味太郎さんの絵本の真髄、読者に訴えたい
   ものなのだな」と思ったからです。(今さらという感じですが)

   つまり、五味太郎さんは、絵本の中で、いろとかたちで遊んでいたのだ
   ということに気がついたのです。
   しかも、そのいろとかたちは、見るものをいつも元気にしてくれる
   パワーをもっているように感じます。

   そして、時には、いろとかたちだけで、深い悲しみや、やさしささえも
   表現しようとしていると思えてきました。

   五味太郎さんの絵本の中に、「みんなうんち」というのがあります。

   この絵本は、今までも五味太郎さんの絵本の中で、唯一好きだった
   絵本ですが、最後のひとこと

   「いきものは たべるから みんな うんちをするんだね」
   というところまで読み進むと、思わず感動してしまいます。


   生きているということの力強さ、前向きさを、絵本の中で力いっぱい
   表現しようとしている五味太郎さんの、あの明るすぎる色が
   なんだか、まぶしく思えてきた今日この頃です。

   (今回紹介の絵本はこちら ↓↓)
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   ●言葉図鑑全10巻/偕成社

   ●いろ 五味太郎の絵本9/絵本館

   ●かたち 五味太郎の絵本10/絵本館

   ●みんなうんち/福音館書店

   (終わり)



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