■■■ baby03  よるくま ■■■




vol-35
   本のタイトル: よるくま

   作:酒井駒子
   出版 : 偕成社
   対象年齢: 4歳から100歳まで


   この絵本は、全編会話形式です。
   それがまた、やさしい語り口となっています。

   「ママ、あのね」と眠れない男の子が、ママに話しかけます。
   「きのうのよるね、うんとよなかに かわいいこがきたんだよ。」と
   男の子は、ママに話し始めます。

   ママはやさしく聞きます。「どんなこが きたのかな?
   おとこのこ かしら おんなのこ かな」

   「ううん、くまのこ」
   こうして、男の子の「よるくま」ちゃんの話がはじまります。

   よるくまちゃんは、いなくなったママを探していたのです。
   男の子は、一緒に探してあげます。
   夜の街を探すふたりの姿は幻想的に描かれています。

   いなくなったよるくまのママは仕事をしていたのです。

   たぶん、男の子のママも昼間働いているのでしょう。
   でも、男の子のママは、ごはんも作ってくれるし、何か買ってくれるし
   そして何より「あったかいねぇ」とだっこしてくれるのです。

   この絵本は、働くママと、それを淋しいながらも理解する子どもへの
   応援メッセージを届けているように思います。
   大きな大きなお母さんの愛情につつまれて、男の子はきょうも
   眠りにつきます。

   明日の朝には、また親子のしばしの別れが起きたとしても
   静かな夜と、眠りがすべてのことを忘れさせてくれることでしょう。

   (終わり)



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