■■■ baby03  森の絵本 ■■■

vol-30
   本のタイトル: 「森の絵本」

   「森の声」
   作: 長田 弘
   絵: 荒井 良二
   出版社: 講談社
   対象年齢: 5歳から100歳まで


   詩人の長田 弘さんが、美しく深い言葉で綴った詩に、荒井良二さんの絵が
   ぴったりな、大人のための絵本です。

   でも、荒井良二さんの絵が、子ども達もこの絵本の世界にひっぱってくれます。
   美しい日本語を、たくさんの子ども達に読み聞かせたいですね。

   「いちばん大切なものを探しにゆこう」と静かに絵本は語りかけます。

   本日は、絵本が良すぎて書評などとは、おこがましいし、観念的にしか
   書けそうにないので、日記風にまとめてみました。

   絵本を読んでよみがえった、ある日の日記です。
   6月某日、高原のコテージでの体験です。

   よろしかったら、読んでみてください。



   森の中で、生まれてはじめてカッコーの声を聞いた6月のある夕暮れ

   カッコーが自分に話し掛けてくれているような
   気分になったことを思い出しています。

   いつまでも、いつまでも聞いていたい澄み切った良い声で鳴きます。

   カッコーは誰に向かって、何と言って鳴いているのだろう。
   そんな思いで、カッコーの声に耳をすませます。

   「おーい、おーい」と呼んでいるような気がします。

   森では、カッコーだけでなく、いろいろな声に出会います。

   どの声もやさしく、自分を励ましてくれているように
   聞こえてくるのは不思議です。

   もしかしたら、森の精霊が挨拶に来てくれているのかもしれません。

   あたりが暗くなり、森がまっくら闇の中に存在を消してしまうまで、
   声は止むことがありません。


   この絵本の、いちページ、いちページ、どのページを開いても
   じつに様々な音や風景、光に出会います。

   読めばきっと、忘れていた思い出にも出会うことでしょう。


   あの日、どこからともなく聞こえた、カッコーの声は、「大切なものはなんですか」
   「ようこそ森へ」と話しかけていたんですね。

   (終わり)



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