■■■ baby03  どうぶつしんぶん ■■■

vol-17
   本のタイトル: どうぶつしんぶん

   著: 岸田 衿子 , 谷川 俊太郎 , 松竹 いね子
   絵: 堀内 誠一
   出版社: 福音館書店

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   故、堀内誠一さんは、1958年以来、30年間にわたって、たくさんのこどもの
   本に絵を描かれました。今もなお、ロングセラーを続ける絵本ばかりです。
   また、ananの編集、グラフィクデザイナーとしても活躍され、そのすぐれた
   感性は、絵本のお話を数倍も豊かなものにして、読者を楽しませてください
   ました。洗練されたおしゃれな絵、表情豊かな主人公、この「どうぶつしん
   ぶん」は、その堀内さんの絵が、いっぱいに広がった二度と発行されること
   のない、貴重な新聞形式の絵本です。
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   絵本の表紙を開けると、ページはありません。

   そう、これは動物村で発行されている新聞なのです。
   封筒の中に、4冊の新聞。
   はる・なつ・あき・ふゆの4冊です。

   この封筒を開けて、新聞を広げた瞬間から、もう動物村の住人です。
   おしゃれで、楽しい、堀内ワールドに、はまってしまうことでしょう。

   雑誌「anan」の編集もされていた堀内さんの手にかかると、動物新聞も
   おしゃれなパリのエスプリなど、漂ってくるようです。

   が、そこは、お子様のための本。
   楽しくてためになる情報も満載なのです。
   そして、ことばの楽しさも味わえます。

   堀内さんは、インタビューで、こう語られています。

   「とにかく、絵本の絵っていうのは、たんに物事を示すだけじゃない。
    テキストをいかに味わったかを伝えて、結局のところ子どもの魂を
    引き上げるってことができなきゃね。
    そのことが、絵をつけることでお話を二倍も三倍も面白くするって
    いう意味ですよね。」(「こどものとも」1986年8月号折込付録より)

   この「どうぶつしんぶん」を開いたら、そんな真摯な堀内さんの声が
   聞こえてくるようです。 

   (終わり)


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