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故、堀内誠一さんは、1958年以来、30年間にわたって、たくさんのこどもの
本に絵を描かれました。今もなお、ロングセラーを続ける絵本ばかりです。
また、ananの編集、グラフィクデザイナーとしても活躍され、そのすぐれた
感性は、絵本のお話を数倍も豊かなものにして、読者を楽しませてください
ました。洗練されたおしゃれな絵、表情豊かな主人公、この「どうぶつしん
ぶん」は、その堀内さんの絵が、いっぱいに広がった二度と発行されること
のない、貴重な新聞形式の絵本です。
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絵本の表紙を開けると、ページはありません。
そう、これは動物村で発行されている新聞なのです。
封筒の中に、4冊の新聞。
はる・なつ・あき・ふゆの4冊です。
この封筒を開けて、新聞を広げた瞬間から、もう動物村の住人です。
おしゃれで、楽しい、堀内ワールドに、はまってしまうことでしょう。
雑誌「anan」の編集もされていた堀内さんの手にかかると、動物新聞も
おしゃれなパリのエスプリなど、漂ってくるようです。
が、そこは、お子様のための本。
楽しくてためになる情報も満載なのです。
そして、ことばの楽しさも味わえます。
堀内さんは、インタビューで、こう語られています。
「とにかく、絵本の絵っていうのは、たんに物事を示すだけじゃない。
テキストをいかに味わったかを伝えて、結局のところ子どもの魂を
引き上げるってことができなきゃね。
そのことが、絵をつけることでお話を二倍も三倍も面白くするって
いう意味ですよね。」(「こどものとも」1986年8月号折込付録より)
この「どうぶつしんぶん」を開いたら、そんな真摯な堀内さんの声が
聞こえてくるようです。
(終わり)