■■■ baby03  100万回生きたねこ ■■■

vol-08
   本のタイトル: 100万回生きたねこ

   著者: 佐野 洋子作・絵
   出版:講談社
   利用対象: 幼児から大人まで

   絵本の表紙は、その絵本への扉です。
   開くか、開かないか、まずそこから、絵本は、はじまります。

   この絵本の表紙は、ふてぶてしい顔のねこ。
   タイトルもインパクトあり。
   「100万回生きたねこ」うーん、読んでみたい。

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   100万回生きたねこの人生は、ただ生きて死ぬということだけだった。
   自分から誰かを愛することもなく、誰かのために生きるでもなく。

   ねこは自分しか愛していなかった。
   100万回、生きて死んで、生きて死んで、それがねこの自慢だった。

   そして、ねこはやっと自分のための、人生を選んだ。
   誰かに飼われることのない、のらねこ。
   「ねこは やっと 自分のねこに なった」(本文より)
   自分で自分を選択できる人生は、それまでのねこの人生を変えた。
   自ら誰かを、愛することを選んだのだ。

   同時に、ねこの自分探しの旅も終わった。
   ねこの選んだ人生は、二度と生まれかわることのない人生だったのだ。

   最後に100万回、泣いたねこ、ねこと同じ涙を100万回流しても、ねこの
   ほんとうの涙のわけは、わたしたちにはわからない。

   なぜなら、わたしたちは、100万回の人生の重みを知らないのだから。

   (終わり)


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