■■■ baby03  いちねんのうた ■■■

vol-07
   本のタイトル: いちねんのうた

   著者:エルサ・ベスコフ・絵と文
      石井登志子・訳
   出版:フェリシモ
   利用対象: 幼児  小学1−2年生 から大人まで

   ベスコフは、スウェーデンの絵本作家。(1874-1953)
   スウェーデンでは、ベスコフの絵本作家としての業績を認め、没後の
   1958年、エルサ・ベスコフ賞を、スウェーデン図書館協会によって
   創設しました。

   スウェーデンは、白夜の国、今なお美しい自然と福祉の充実した国で
   人々は、ゆったりと暮らしているそうです。
   そんなスウェーデンが生んだ絵本作家のベスコフは、なんと6人のお子
   さんのママだったそうです。

   ベスコフのやさしい物語と絵は、自然にはぐくまれた風土と母の
   やさしさから生まれたものなんですね。


   表紙を開けると、楽しい時間の詩から始まる物語は、次に週の詩、そして
   一年の詩へと流れていきます。
   キリスト経を中心とした、クリスマス、クニュート、ワルプルギスの
   焚き火といったスウェーデン独特の行事を知ることもできます。
   また、四季折々の物語を読むと、日本の四季に驚くほど似ていて、共感を
   持って楽しむことができます。

   12の詩の中から、10月の一節を紹介します。

   「なんて黄色の10月さん なんて赤くかがやくの!
   10月さんの絵筆なら 黄色や赤にぬれるんだ
   秋をよろこばそうと 金や赤に そめているんだ」

   そこに描かれているのは、美しい赤と黄色で統一された森の風景と、仲良く
   生活している子ども達の姿です。
   あなたは、この絵から何をみつけることでしょう!

   表紙にもなっているブルーベリーの森のおまつりの話やラストページの
   クリスマスの話など、ベスコフ流のユーモアも満載です。

   自然と宗教と共に暮らす人々の心の豊かさは、読む人の心も豊かにして
   くれます。ウッレや、妹のブリータ、チビちゃんたちとスウェーデンの一年を
   共に楽しんでみませんか。

   (終わり)


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