■■■ baby03  たいせつなこと ■■■

vol-02
    本のタイトル: たいせつなこと

   マーガレット・ワイズ・ブラウンさく
   レナード・ワイスガードえ
   うちだ ややこやく
   出版:フレーベル館
   対象年齢:5歳から大人まで

   この絵本は、1949年の初版から、アメリカで多くの人に、
   読みつがれてきたロングセラー名作で、日本では、初の翻訳である。
   作者は、「おやすみなさいのほん」で有名なマーガレット・ワイズ・ブラウン。
   絵は、1947年カルデコット賞、受賞のレナード・ワイスガード。
   (注:カルデコット賞は、アメリカ図書館協会選定の賞)
   邦訳は、うちだややこ(父・内田裕也、母・樹木希林)で、
   この絵本が、はじめての翻訳である。

   私が、この絵本を選んだ理由は、本のシンプルなタイトルと
   コップの透明さ、りんごの赤色にひかれたからだ。

   絵は、古くなつかしいセピア色の感じがする。どちらかと言うと、日本人が好む
   おだやかな落ち着いた色彩である。

   なかでも、わたしは、かぜのページが好きだ。
   どこからか、強い風が、窓をならす音が、聞こえそうだ。
   また、そらのページでは、こんな青い空を何度も見ることのできる、幸せさえ感じる。

   マーガレット・ワイズ・ブラウンの文は、彼女らしい物の見方で、ひとりひとりの
   読者に、素直に語りかけてくれているのだが、
   うちだややこさんのきれいな邦訳は、思わず、声に出して読みたくなる。

   そして、読み終わった後は、自分は自分自身でいいんだよ、と心がつぶやいている。
   今まで、育て、はぐくんでくれたものへの感謝の気持ちでいっぱいになる。

   たいせつなことは何か、いつもの忙しさの中で、呼吸したくなった時、
   絵本のいちページ、いちページに語りかけてみたくなる。

   たぶん、これからは、日本のみんなからも、長く読み続けられていくことだろう。

   (終わり)


<< 一覧へもどる  << 絵本古本マーケットはっぴぃ  << SHOP