絵本古本マーケットはっぴぃ

3月のおすすめ絵本(2016年)

■3月30日 マリー・ホール・エッツ/松岡享子「ペニーさん」

ペニーさん
マリー・ホール・エッツ/作・絵 松岡享子/訳 徳間書店

「ペニーさん」(「Mister Penny」)は、1935年、マリー・ホール・エッツが手がけた、はじめての絵本です。
年をとったペニーさんという男の人がいました。とても貧乏で、年をとっても、毎日工場で働かなければなりませんでした。
その訳は、ペニーさんにはたくさんの家族がいて、その家族を食べさせるためでした。
家族といっても、それは動物たちで、ウマとメウシとヤギとブタと小ヒツジとメンドリ、オンドリ。
それぞれ名前もあって、ペニーさんは、みんなのことを大事に可愛がっていました。
動物たちは、ペニーさんに甘えるばかりで、働くことはしませんでした。
ある日のこと、事件が起こります。動物たちが、となりの家の畑の作物や果実をおなかいっぱい食べてしまったのです。
となりの人は、かんかんに怒って、弁償として、動物たちを差し出すか、無理難題の仕事をするか、ふたつにひとつと
迫ってきたのです。ペニーさんは、がっくりと途方にくれました。
その様子を見ていた動物たちは、みんなである一大決心をして、夜のうちに行動を開始します。
まだまだ、おはなしはつづき、絵本としては、長めのおはなしなのですが、最後まで、とても面白く、はなし運びのうまさを
感じます。エッツの優れた絵には、定評がありますが、書き手としても、才能豊かと感じます。
また、松岡享子さんの訳が、わくわくする、流れるような日本語の文章で、楽しめます。
絵は、モノクロの木版画で、あたたかみがあり、クラシカルな雰囲気です。

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■3月24日 ★絶版★鈴木まもる「ヘルシー家のおひさま日記」・・鳥もいっぱい!

ヘルシー家のおひさま日記
鈴木まもる/作 金の星社

山の中のログハウス。ここは、ひいおじいちゃんとおじいちゃんが、木を組み合わせて建てた家。
お父さんの生まれた家。その家を中心に、山や海での遊びを、ヘルシー家の子どもたちが日記に
書きました。子どもたちがはじめて出会う自然には、新鮮な驚きや発見があり
おじいちゃん、お父さんが教えてくれる、鳥や植物の知識や遊びのヒントなども、盛りだくさんです。
1月から12月まで、季節に沿った、山や海の風景と、のびのびと遊ぶ家族の様子が描かれ
絵本まるごと、自然の中にいるような、さわやかな一体感が味わえます。
18種類の鳥たちの巣やたまごの様子、植物や小動物の名前や生態など、ミニ図鑑としても楽しめます!

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■3月20日 ★絶版★冬野いちこ・絵「手話(てことば)の本」1巻・2巻・3巻

手話(てことば)の本1(名詞) くらしの手話
手話(てことば)の本2(名詞) みぢかな手話
手話(てことば)の本3(動詞・形容詞) うごきときもちの手話
井崎哲也/監修 冬野いちこ/絵 あすなろ書房

「てことば」って、いい響きのことばですね。
手話を身近に感じる、入門編です。手話をことばのひとつとしてとらえたバリアフリーな絵本です。
ことばって、伝えようとする思いをこめたものなんですね。ひとつひとつのことばが、大切に感じます。
左ページに、文字と手話の動作をする人の絵、右ページには、ことばの絵が載っています。
手話の絵本としてだけでなく、全巻で、たくさんのことばや文字にふれることができます。
冬野いちこさんの、わかりやすい図解と、ほのぼの楽しいイラストが、親しみやすいです。

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■3月16日 ★人気絵本・再入荷★版元品切れ・入手困難!やまもとまつこ「だいちゃんのちびねこ」

だいちゃんのちびねこ
やまもとまつこ/文・絵 ポプラ社

子どもの気持ちにあたたかく寄り添った、素朴でほのぼのとした絵とおはなしが人気の
山本まつ子さんの絵本、再入荷です!
だいちゃんは、小さな猫を拾いました。お家で飼うことになった猫に、だいちゃんは、ちびと名前をつけて
可愛がりました。だいちゃんと、ちびは、なんでもはんぶんこ。ごはんも、おやつも、ベッドも。
ところが、ちびはとても食いしん坊。はんぶんこでは我慢できなくなり、そのうち、もっともっと欲しくなり
とうとう、大きな大きな猫になってしまいました!こんな大きな猫は、もう家で飼うことはできません。
ちびは、動物園に連れていかれ、だいちゃんとちびは、はなればなれになってしまいました。
最後のハッピーエンドまで、とても楽しいおはなしです。
あとがきに書かれた、山本まつ子さん家の猫、ちびのエピソードにも癒されます。

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■3月13日 ★希少レア本★1997年初版本★ 新沢としひこ/あべ弘士「だれかがほしをみていた」

だれかがほしをみていた
新沢としひこ/詩 あべ弘士/絵 アスク・ミュージック

1997年に、アスク・ミュージックから発刊された「だれかがほしをみていた」の絵本です。
巻末には、中川ひろたかさん作曲のオリジナル曲の楽譜付き!
新沢としひこさんの宇宙観のある壮大な詩と、あべ弘士さんの豊かに広がる絵にイメージがふくらみます。
寝転んだゾウやペンギンの姿は、面白くて、かわいいです。
他にも北極熊や、ワニ、恐竜、猫にカブトムシ・・・いろいろな動物たちも登場します。
宇宙の中の地球、地球の中のいろいろな場所で暮らす動物たち、そして、日本で暮らす自分たち・・と
思いをはせることができます。
日本で暮らすこどもたちは、"ものほし"に寝転んで流れ星を見ます。
なつかしい日本の暮らしっていう感じです。
絵にも、金魚鉢の中の金魚をねらう猫とか、浴衣風寝巻を着た子どもたち、短冊に筆で願い事を書いたり
昭和の香りがします。
最後のほうに出てくるのは夜鷹でしょうか。見たことのない鳥が空をとんでいます。

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■3月9日 ★絶版★【新品バーゲンブック】トーマスの知育絵本

【新品バーゲンブック】トーマスの知育絵本
ポプラ社

指人形がついている絵本や、ぱたぱた広がる絵本、タブ付き絵本やことば絵本・・・指を使ったり
見たり聞いたり、考えたり、楽しくあそびながら、想像力や意欲、好奇心、集中力など育てる知育絵本です。
「ことば」のシリーズは、「てんき」と「はんたいことば」
「てんき」は、天気に関することばだけでなく、カラフルな絵の中には、いろいろなものをみつけることが
できます。最終頁には、とびだすしかけも!
「はんたいことば」は、めくりしかけ絵本。めくると、「わらう」―「おこる」など、トーマスとなかまたちの
絵がわりを楽しめます。

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■3月6日 ★絶版★1984年初版本★神沢利子・赤羽末吉「ひょうたんめん」種子島の昔話

ひょうたんめん(日本のむかし話・3)
神沢利子/文 赤羽末吉/絵 偕成社

種子島に住む妖怪「ひょうたんめん」の昔話。種子島では、地元に住む妖怪のことを"めんこう"と呼んでいるそうです。
「ひょうたんめん」も、めんこうの一種で、その名のとおり、ひょうたんお化けです。
妖怪なのに、ユーモラスな風貌、ちょっと間の抜けたところもあり、愛嬌さえ漂います。
神沢利子さんの文は、種子島に伝わるおはなしをもとに、乙次郎孫次郎(おとじろうまごじろう)さんと
ひょうたんめんとの攻防が、いきいきと伝わってきます。
赤羽末吉さんの絵は、おおらかで愉快!植物系の妖怪らしく、柔らかく、くねくねとした動きが見事に表現されています。
最後には、ひょうたんめんがやっつけられるのですが、その姿がかわいそうに思えるぐらい、憎めないお化けです。

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